***Sugar Cat 3


 


はい・・・?なに言ってんですか、ボクの目の前にいる方は。

「早く告れ!意味不明に迷ってんなチビ!」
「ムカつく・・・告白するのにチビとか関係ないだろ!」
「どーでもいい。」
「はい。」
校門から出て2分で喧嘩。どーいう事だコレは。
俺は喧嘩したくて孝太郎を好きになったんじゃないし。当たり前だけど。

泉田は俺をジッと見るなり、「餓鬼。」と呟く。カチンとくるでも無いけど・・・苛つく。
何が悪いんだ。背が低い俺の何が悪いんだ!!と一人怒っていると、泉田はポケットからケータイを取り出し何かしている。
ほんの何秒かでケータイの画面を俺に見せた。
「告ってみ?まず!」

先ほどとは全然違う泉田の爽やかさに又イラッときた俺だけど、差し出されたケータイを見て驚かずには居られなかった。
画面にはなんと、孝太郎のメールアドレスが載っていたのだ。

メモリー98・・・なんで、なんで俺が知らなくてこいつが知ってるんだぁ!!

「なんでお前が知ってんだぁ!!!」
「ツッコミどころそこかぁ!!!」
「あ・・・・・・・俺のために?」

今更か、と突っ込まれたけど怒りは込み上げてこなかった。代わりに喜びがどっと沸きあがってきて・・・目にジワりとくるものがあった。
 焦る泉田に笑えたけど、俺は黙って泉田のケータイからメモリー98のデータを自分のケータイに移すのに必死で構ってられなくて、同じように俺を必死であやす泉田も気付かなかった。
 後ろに立つ孝太郎の存在に。
「・・・あの。」
「!?」
声を掛けられて振り向くと、孝太郎君。しばらく無言のまま突っ立っていると、孝太郎が口を開いた。
「お前らってデキてんじゃないの?」
「!」
ガーン。正にそーいう感じ。俺的に気まずいんですけど。お二人は睨み合ってるし。
「そんなんじゃないから、勘違いしてんなよボケ。」
「別に勘違いしてるわけじゃないし。」
「え・・・?」
2人って仲悪かったの?って、マジで変な感じ。
 そういえば、クラスで一番フレンドリーな泉田が孝太郎と話してるのって見たことないかも。ということはやっぱり、仲悪いのか。
「智明、行こうぜ。」
「えぇー?・・・あぁ、はい。」
嘆きの声を上げた途端泉田がギロリと睨んできたので了解しておくことにした。どうして急に名前で呼び出したのかはわからないけど・・・これだけはわかった。泉田は俺の恋を応援する気が無い、ということ。
 泉田が孝太郎と仲が宜しくなかったんであれば、しょうがない。気高い猫をつかまえるのって、やっぱり難しいんだな。
「あ、えっと・・・すみません。守山さん。」
「いいよ、別に。」
孝太郎とバッタリ会ってから、数十分。公園のベンチに腰掛け、どういうわけか説明してもらっているところだった。何故か孝太郎に対して喧嘩腰だった泉田によると、「娘に彼氏ができた父の心情」だったらしい。アホみたいでなんと言えばいいかわからない。
 つまり俺は結局・・・
「やっぱり子役かよ!」
「そっちかい!」
身長で人の役柄を勝手に決めるのは泉田の悪い癖だ、全く。
 俺が肩を落としていると、泉田が何か言いたげに俺の腕を掴んだ。言葉が上手くまとまらないのか、眉毛をピクピクさせながらも俺を見る。
「俺、お前の事大好きだから、キモチは応援してるんだよ。」
「うん?」
それはつまり、頑張れということか?でも「キモチは」って、それって応援の言葉なのか?
 頷きながらも未だに理解できていない俺に苦笑し、「中谷じゃ納得いかないって事。」と小さい子に言うように言う泉田。
「なんで?」訊ねると、「アホ。」の一言で片付けられてしまった。
 お前にアホ扱いされる覚えは無いんだけど。まぁいいや。泉田も俺が居なくて淋しくなるのは嫌って事だろ。だけど告白は止めない!俺は伝えます、この気持ちを!
 俺が決心を固めていると、泉田は俺を見て微笑んで何故か顔を近づけてきた。いきなりで少し焦り、「なんか付いてんの?」と笑いながら訊いてみると無視されてしまった。
「え?あの・・・。」
体全体を俺に向け、俺のズボンを自分の方へ引っ張りながらも顔を近づけ続ける。

Back / Top / Next
 
inserted by FC2 system